創作

ちょっと死んだ父に会ってきた話

                  
独立 時代 会社に頼らなくても 生活 スキル 持つ 父の23回忌で 実家に帰省した私は、  父の弟である おじさんと 酒を酌み交わしていた。  デザイナーで 独立ねぇ… 独立ったって 大変だぞー。  だいたい、 デザインとか やったこと あんのか?  周りの大人は みんな、  同じことを言う。 悪いことは 言わねえから  大人しく今の会社で 世話になっとけ。  小さい頃から ずっとこうだった。  私は イラストレーターに なりたいの! 独立して 建築会社の 社長になった父は   悪い人に騙されて 借金を抱えて、  社員を守るために、 寝ずに働いて、  父が死んだのは、 交通事故だった。 起業なんか するもんじゃない。  そう言われて 育てられた私は  会社に雇われるのが いちばんだ。  父の死以降、  親、親戚一同、 口を揃えて そう言った。 お前の親父の 懐中時計、  どうしたか わかるか?  毎日ひたすら 顧客のデータを 入力する  事務職についている。  私の人生、 これで よかったのかな。 おれが受けとる べきなんだけど、  ちょっと こっそり 探してみて くんない?  懐中時計のことは 母から聞いていた。  お前の親父、  結構いい懐中時計 持ってたんだよ。 お金が 目当てなだけの おじさんには 内緒で  私が20歳になったら 受け取るよう 言われていたが、 その懐中時計は、  持ち主の 最後のときに 連れてってくれる。  え? お父さんは、 起業してよかった と思う?  まぁ、  借金抱えちゃった っていうのは あるけど、  でも… 好きなことを 全力でやった 結果だからな。  後悔はしてない。  お前と母さんには 苦労かけるな。  ごめんな。 私、 東京戻ったら  もう、 自分の気持ちに 嘘つくの やめようと思って、   死ぬときに、 くよくよして いたくないから。  イラストレーター 目指します!               
 
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