紙の本を作ります。
漫画『スポットライトを浴びたくて……』の単行本を作るために、ぼちぼち動いているところです。
4月は、ご支援くださった方々へのお礼周りをしていました。
そんなことをしていたら、あっという間に4月が過ぎてしまいました。
お一人お一人に連絡をして回るのは地味に大変だし、実はとても苦手です(コミュ障なので、かなりのエネルギーを要します)。
でも、応援してくれてる方とはしっかり向き合いたかったので、氣持ちを送りました。
苦手だけどやりたいって、とても不思議な感覚です。
今は、『スポットライトを浴びたくて……』の原稿の最終チェックを進めているところです。
セリフに誤字脱字がないかを確認したり、描き直したいところに手を加えたり。
原稿のチェックが終わったら、おまけ漫画を作成したり、今作にかけた想いを綴ったりします。
全て終わったら、ご支援くださった皆さまのお名前を記載して、
一冊の本にまとめます。
たくさん応援していただいた『スポットライトを浴びたくて……』が、一冊の本になります。
原稿作業を5月中に終わらせて、6月には入稿、
7月にはみなさまにお届けできるようにしたいと考えています。
(順調にいけば良いですが、超マイペースな人間ゆえ、どうなるか)
地味に大変な作業です。
日々やることもあるので、なかなか思うようには進みません。
けれど、皆さまの元にお届けできることを思って、ワクワクしながら進めています。
ようやく、物として形にできそうです。
人生で初めての書籍化です。
10年描いてますが、自分の作品を紙の本にするのは今回が初めてです。
かいちとして活動していた4年間でも、一度もありません。
理由は、…在庫を抱えるのが怖かったので(笑)。
本にする理由が、今までは見出せませんでした。
出版業界では、紙の本は年々売れにくくなっています。
読み物として扱うなら電子書籍で事足りるので、紙の本を好んで買う人は一昔前に比べて少なくなっているみたい。
そんな状況のなか、知名度の低い自分の作品を紙本にしても、売れないだろうなと思っていました。
でも、売れる売れないを氣にしてたのは、誰かや何かのために活動をしていた証拠だなと、今になって思います。
今回『スポットライトを浴びたくて……』を紙の本にする理由、いちばんは自分のためです。
自分のために、作品を形に残したいと思いました。
作家、石井嘉一郎の足跡を残したい。
本棚に並べられた自分の作品を見て、歩んできた道のりを実感したい。
そう思ったのがきっかけです。
誰かのためは二の次。
届くべき人に届いたらいいなと思います。
感じてくれる人がいることは、これまでの皆さんの反応から実感できているので、本にする意味は大いにあると思ってます。
最近思い出したのですが、ぼくが漫画家を目指したいと思ったきっかけが、もうひとつありました。
よく人前でお話しするきっかけは、働きたくなかったから。
中学1年生の総合学習の授業、進路のことを考える時間で、さまざまな職業を調べながら思ったのが、「働きたくねぇ」でした。
でも、どうやら大人になったら必ず働かなきゃいけないらしい。だったら、どうせ働くなら好きなことで…。
そう考えたのがきっかけ
だったのですが、
それ以前にもうひとつきっかけがあったことを、最近思い出しました。
“生きた証を残したい”
そう思ったのが、今思えば漫画家を目指す最初のきっかけだったかもしれません。
小学3〜4年生くらいの頃、ブックオフの漫画コーナーに並べられた単行本を見て、
漫画のタイトルと作家の名前がズラリと並んでいる様子を見て、漠然と思った記憶があります。
人間どうせいつか死ぬんだから、何か、生きた証を残したいな。
と。
ぼくは、小学2年生の秋に父を亡くしています。
病院の中で最期を看取りました。
癌でした。
ぼくにとって、初めて“死”を意識した体験です。
それまで一緒に暮らしていた人がいなくなるわけですから、それはそれは、不思議な感覚でした。
「本当にもういないんだな」と、家の中で何度も思った記憶があります。
父のことは最近、漫画活動とは全然関係ない内容の記事に書きました。
そのこともあって思い出したのですが、当時は死ぬことを過剰に怖がっていました。
テレビで何かの病気を知るたびに、「自分もその病気になるんじゃないか」と不安がっていた時期でした。
そんな最中の、ブックオフの本棚の光景でした。
作者の名前がズラリと並んでいる光景を見て、
「自分も名前を残したい」と強く思った記憶があります。
このまま何もなく死んでいくのが嫌だったんでしょう。
せっかく生まれてきたからには、世に何か、自分が生きた証を残したかったんだと思います。
不思議なのが、このことを思ったのが漫画本を見てということ。
ぼくが小学生の頃は、テレビもあったし、CDもDVDもありました。
本だって、小説もあったし、雑誌もあったし、専門書とか、いろいろな本がありました。
でも、ぼくが「生きた証を残したい」と感じたのは、ブックオフの本棚に並べられた漫画本を見て。
当時、絵は描いていましたが、漫画らしい漫画はまだ描いていませんでした。
なので、「漫画家になりたい」とまでは思っていなかったのですが、
中学生になって、コマを割った漫画を描くようになって、「漫画家になりたい」と思ったので、
やっぱり漫画とは縁があったのでしょう。
…
ちょっと喋りすぎましたかね(笑)。
自分がしてきたことを、カタチにして残したいです。
今作もそうですが、この先作る作品も全部。
石井嘉一郎として作る作品は全て、漫画本にしていきます。
売れる、売れない関係なく、自分のために残します。
売れたら嬉しいですが、売れなくてもそれはそれで。
自分が歩んできた足跡を、生きた証を残します。
その上で、誰かのためになったらと。
感じてくれる人がいることは、これまでの皆さんの反応から実感することができました。
だから作る意味はあると思います。
届く人には届くと思います。
『スポットライトを浴びたくて……』の紙の書籍化、応援していただけたら嬉しいです。
よろしくお願いします。